2026年5月23日土曜日

【予約〆切間近】glamb '26 Autumn

5月24日(日)20時予約〆切


Autumn Collection 2026
“DIRECTOR OF LIFE“

映画のワンシーンのように生きられたら--
通勤中にふと浮かんだフレーズだった。
年間で400型ほどデザインする僕の頭の中は、いつも断片的なイメージや妄想で満ちている。

もし、あなたがいつか雲の上へ旅立つ時、自分の人生を一本の映画として上映できるとしたら、
その内容はどんな物語になるのだろう。
あなたは主人公であり、同時にディレクターでもある。
何気ない日常の一瞬が、実は物語の核心へと繋がるシーンだったとしたら--
僕はその瞬間を全力で生きたいと思った。

普段から映画やアニメをよく観るが、最近は“作り手”の視点に強く惹かれるようになった。
その好奇心を今季のインスピレーションにしようと、映画制作の本場・ハリウッドへ向かった。

glambのカタログ撮影を見たことがある人なら分かると思うが、
僕たちの撮影に対する情熱はアパレル界でも群を抜いている。
ハリウッドではまず Sony Pictures のスタジオを訪れた。
ブラッド・ピットが好んだという STAGE 30 には、巨大なジャングルのセットが組まれていた。
画面の中で本物だと思っていた建物や車も、実際は精巧に作られたセットだった。
“月面着陸映像は地下スタジオで撮られた”という都市伝説も、あながち冗談に思えなくなるほどの作り込みだった。

その徹底した世界観に触れ、glamb の撮影もこの領域に近づきたいと強く思った。
シーンごとに計算された衣装が映画をより魅力的にするように、
ファージャケットやワイン色のアイテムには、幼い頃から憧れてきた映画の登場人物の影が宿っている。
一方で、glamb らしさを象徴するのは、着古したような“時間の痕跡”を纏うアイテムだ。
硫化染めの生地を加工して色を落としたり、あえて縁をほつれさせたジャケットやシャツは、
着る人にストーリーを与えてくれる。
僕はまるで映画のディレクターや衣装デザイナーになったような気分でデザインを進めていった。

帰国のために LAX 空港へ向かう Uber の車内で、思いがけない出来事があった。
ドライバーは元アメリカ海軍で、彼は世界情勢の緊張について淡々と語った。
その話を聞きながら、もし本当に不穏な時代が訪れたら、
僕がハリウッドで描いてきたアイデアは意味を失ってしまうのではないかという不安が胸をよぎった。
世界有数のファッショニスタが集まる都市がサバイバルに精一杯になれば、洋服は優先順位の外に追いやられる。
積み重ねてきた努力が無力になるような気がして、僕は車内で言葉を失っていた。

その時、ふと頭に浮かんだのがジョン・レノンの “Imagine” だった。
彼は平和を願って歌った。
その姿勢が、僕にとっての希望になった。
僕にも、まだ出来ることがある。
そう思い、平和を願うアイテムをいくつもデザインした。

メンズウェアの多くがミリタリー由来のディテールを持つという皮肉を抱えながら、
僕はあえて軍事的なニュアンスをすべて取り払った。
カラフルなスプラッシュペイントを飛ばしたライナージャケット、
上品なツイード素材で仕立てたモッズコート、
ニットで編み立てたスカジャンには、トラ柄の中に “PEACE” の文字を忍ばせた。

今季はルックブック80号という節目でもあり、
ブランド初期から glamb の成長を見守ってきた金子ノブアキ氏とのChronicle Collectionも発表する。
glamb が抱えてきた“平和への想い”は変わらず、
Tシャツに記された “FLOWERS FOR PEACE” の言葉は今も息づいている。
その名の通り、花を挿すことができるピースフルなジャケットやロンTもリリースした。

話は大きく広がったが、僕がディレクターを務める僕自身の人生は、いつも平和でハッピーエンドだ。
“花畑に住んでいる”と言われるほど、暗い想像を避けて生きてきたが、
そのマインドが詰まったコレクションになったと思う。

僕の映画のプレミアに参加するためのチケットは、
今季のタグとして多くのアイテムに縫い付けられている。
ぜひ、ポップコーン片手に参加してほしい。

Please turn off your phones during the movie.

glamb Head Designer
TK